雨が予想されましたが、なんとか曇り空で当日を迎えることができました。
13名の方が山陽電鉄「月見山」駅に集合。本コースは丁度8年前のさるく会で実施されたものとほぼ同じ企画のものとなりました。
本日の行動説明の後、最初の目的地須磨離宮公園を目指します。離宮公園は、もと「武庫離宮」といわれ天皇の別邸であったのを、戦災復興の折、神戸市に下賜され、そののち市が欧風噴水公園として整備したものです。この時期「春のバラ鑑賞会」を実施中で園内は、300種、4000株のバラが咲き誇っているとか。
公園入口から離宮建設当時より残っている馬車道を上ってバラ園へ。いきなり甘酸っぱい感じの香りが漂ってきました。日本の皇室や王侯貴族、芸術家などの名を冠した品種のバラや中国、ヨーロッパ、北米など原産地のバラを各々で巡り、その花々の鮮やかさ、素晴らしさに目を見張りました。
昼になると園内にある古今和歌集や百人一首に登場する平安時代の歌人、役人でもあった在原行平(業平の兄)ゆかりの月見台から、遠く月ならぬ大阪、和歌山方面の海と山並みを眺めながら昼食をとりました。月見台は須磨に流された行平が遠く都を思い、つれづれ月を眺めたというところです。
午後からは、二番目の目的地須磨寺を目指します。道中須磨寺公園のハスの華、大きくて緋の色も鮮やかな錦鯉が目に留まりました。
須磨寺は1200年の歴史をもち、800年前の源平一の谷の合戦ゆかりの古刹でもあります。室町期の宮殿や平敦盛塚、敦盛遺愛の青葉の笛、弁慶の鐘、義経腰掛の松などあり、合戦の浪漫を偲んで芭蕉や蕪村などの文人墨客らも訪れています。
平敦盛・熊谷直実の一騎打ちの場面を再現した庭の前で、寺が発行する平家物語「敦盛最後」の要約書を各自読んで当時を偲んでいただきました。また境内の重宝や史跡を各自で巡っていただきました。
本日最後の目的地は現光寺(源氏寺)です。源氏物語の光源氏も須磨に退去しますが、モデルとされる行平は須磨に流され、当時この場所に住んだと言われたことから、光源氏が過ごしたわび住まいの舞台として、光源氏ゆかりの寺と言い伝えられています。物語の世界を求めて訪れた芭蕉や子規などの句碑もありました。しばし古の世界に足を踏み入れることができました。
集合場所の山陽電鉄月見山駅から一つ西の須磨寺駅で解散し、反省会を心待ちにしていた皆さんは、神戸三宮へと向かい、アルコールとともに本日の無事を感謝しました。
(19回生 太田 記)