第29回「高取土佐町雛めぐりさるく」のお知らせ第2弾です。今回の見どころは雛めぐりはもちろん、東アジア最古の現存する天文図で有名な「キトラ古墳」を見学します。昨年9月にオープンされた「キトラ古墳壁画体験館四神の館」では壁画(レプリカ)や発掘の歴史、そして古代の状況などが身近に体感できます。ご期待ください!
<檜隈寺跡>
5世紀に日本に渡ってきたとされる渡来人である東漢氏(やまとのあやうじ)の氏寺とされる古代寺院跡。東漢氏は飛鳥時代の権力者 蘇我氏と結びつき外交や軍事面で大きな影響力を持っていた。7世紀後半に金堂、西門が7世紀末に講堂、塔が造られた。寺の造営が2期に分かれるのは、当時の東漢氏の経済的消長を反映していると考えている。もとは西方に塔を挟んで南に金堂、北に講堂、中門は西門にあって特異だった。
現在は 於美阿志(おみあし)神社が建ち、塔跡には平安時代に建てられた十三重塔(重要文化財=上部欠落)が建っている。
<キトラ古墳>
キトラ古墳は、明日香檜前(ひのくま)の集落を越えた阿部山の中腹に築かれた古墳。亀虎古墳とも書く。7世紀末から8世紀初め頃に造られたと推測されている。二段の円墳で、上段が直径9.4m、テラス状の下段が直径13.8m、高さは上段・下段あわせて4mを少し超えるとされる。1983年に石室内の彩色壁画に玄武が発見されたのち、1998年に青龍・白虎、天文図、2001年には朱雀と十二支像が確認された。特に天文図は現存するものでは東アジアでは最古のものである。現在はカビなどの被害が発生していたため壁画ははぎとられ保存されている。円墳であり、四神を描いた壁画があることから高松塚古墳の「兄弟古墳」とも言われている。被葬者は未だに判然としていないが天武天皇の皇子(高市皇子?)、もしくは側近の高官の可能性が高いとされている。
<キトラ古墳壁画体験館 四神の館>
国営飛鳥歴史公園キトラ古墳周辺地区内にある体感型施設で、2016年9月にオープン。施設には、キトラ古墳壁画を保存管理する壁画保管室、古墳より出土した副葬品などを保存管理する出土品保管室、壁画を見学できる窓が設置された展示室などが配置されている。展示室からは、壁画を収蔵した状態で見学することができ、キトラ古墳の発掘調査で出土した遺物も展示している。実際の壁画は四半期ごとに期間限定で公開されるが今回はなし。地下1階の展示室は、キトラ古墳やキトラ古墳壁画を分かりやすく、楽しく学べる施設。また、別館の体験学習施設では、毎週土日祝日に「勾玉づくり」や、鳥の鳴くような音が出る「バードコールづくり」など、飛鳥の歴史や自然を体験できる様々なプログラムを体験することができる。
<高取土佐町 土佐街道>
6世紀、大和朝廷の労役で土佐の国からここに召しだされたものの、任務が終わっても帰るための旅費がなく帰郷できなかった者が住み着いたことからこの名前になったと言われている。江戸時代には日本一の山城と言われる高取城の城下町として、全盛期には500棟もの商家が並んだという。今なお連子窓を持った家がたくさんあり味わいある町並みとなっている。
<町家の雛めぐり>
2007年から、始まった「町家の雛めぐり」は、3月中に実施され今回で11回目。町あげてのイベントに発展し、約百軒の各家庭が室内や、軒先、出窓などにお雛さんを展示している。土佐街道沿いにある町家には、大切にしまわれている雛人形があり、どの「お雛さま」にも、その家の思い出や、親子の願いが込められていて、添えて飾られている色紙には、そんな“思い出”と“願い”が綴られている。また各家庭は色とりどりの花で迎えたり、ボランティアの出店など町民総出のすばらしいおもてなしとなっている。特にメイン会場の「雛の里親館」では何段にも飾られたお雛さまや、城下町をイメージしたお雛さま、そして町のみなさんがこの日のために作り上げたつるし雛などの展示に圧倒される。