2017年6月18日(日) 岡野雄一さん(20回生)の講演会が行われました

 去る6月18日(日)神戸長崎県人会(会長:古野電気創業者・古野電気名誉相談役 古野清賢)の総会において、長崎在住の漫画家岡野雄一さん(20回生)の特別講演会が実施されました。当日は関西同窓会からも同期5名の方々も含め12名が参加。
 講演は経済的に恵まれなかった子供の頃に始まり、酒乱の父がトラウマになっていたこと、両親と、本人息子との4人に蜜月時代が訪れたこと。父の死を境に母の認知症が始まり、昔、父から逃げていた母が父の幻を追うようになったこと、など今の自分の考え方、生き方の基礎となった出来事が語られました。
 後半は、自作の歌と演奏の時間。1日が長い事、短い事を歌った『寺町坊譚(ぼんたん)』、グループホームでの母の歌である『ホームスイートホーム』、最後はアンコールに応えて(ご本人の弁=ギャグ)『どんげんでんなる』、生きていればどうにでもなる。というご本人の人生におけるテーマを作品にしたものともいえるものでした。小柄な体つきに似合わない大変迫力のある歌声でした。ある人は、激しかったけど、聞いていると味わいがあったと評しています。
 若いころ、父のため苦労していた母や町を捨てて、東京へ出て行ったことが、後悔の念となり、自分を長崎に帰らせ、母といっしょの時間を過ごしたいと思わせたのではないでしょうか。その優しい人柄、やさしさが漫画にも表現されています。そして壮絶な介護の現場にさえホッとした安らぎを与えてくれた講演会で県人会のみなさんも本当に感動した様子でした。
 一方高校時代岡野さんと美術部で同じだったという関西同窓会のMさんとは40数年ぶりの再会とのこと。互いのペコロスの頭を眩しげに見つめ合い、自慢合戦?の一コマも。
 ご一緒した二次会でも「温かくて、濃い時間だった」と、また県人会に対しても「会の温かさを感じた」との感想をいただき、そのやさしいお人柄が偲ばれました。19回生 太田記